🔊 元々は「海へ下る(船出する)」という意味。
動詞
📖 中国の社会経済の文脈や現代史で用いられる比喩的な表現。名詞的・動詞的に使用される。
1
(商売や起業のために)官職・安定した職を捨ててビジネスの世界に入る
📝 1980年代半ばから、特に1992年の鄧小平の南巡講話を契機として爆発的に使われ始めた用語。当時の中国では、政府機関、国営企業(国企)、大学・研究機関などの「体制内(たいせいない)」に属することが最も安定した生き方とされていたが、そこを飛び出して私企業を立ち上げたり、商売の世界(海)に飛び込んだりすることを「下海」と呼んだ。元々は伝統演劇(京劇など)の役者が地方巡業に出ることや、広義の芸能・水商売に入ることを指していたが、改革開放以降はその意味が経済的挑戦の代名詞へと大きく変化した。
1992年邓小平南巡后,大批知识分子和体制内官员选择“下海”经商。
(Yī jiǔ jiǔ èr nián Dèng Xiǎopíng Nánxún hòu, dàpī zhīshì fènzǐ hé tǐzhèiniè guānyuán xuǎnzé “xiàhǎi” jīngshāng.)
1992年の鄧小平の南巡後、多くの知識人や体制内の官僚が商売をするために「海に飛び込む(ビジネスの世界へ転身する)」ことを選んだ。
他在大学当了多年老师,后来为了追求更好的发展决定下海。
(Tā zài dàxué dāng le duō nián lǎoshī, hòulái wèile zhuīqiú gèng hǎo de fāzhǎn juédìng xiàhǎi.)
彼は大学で長年教師を務めていたが、のちにより良い発展を求めてビジネスへ転身することを決意した。
当年第一批“下海”的人,后来很多都成了中国第一代民营企业家。
(Dāngnián dì yī pī “xiàhǎi” de rén, hòulái hěn duō dōu chéng le Zhōngguó dì yī dài mínyíng qǐyèjiā.)
当時、最初にビジネスの世界へ飛び込んだ人々の多くは、のちに中国の第一世代の民営企業家となった。
⚖️ 類義語との比較
「下海(xiàhǎi)」は1980年代〜1990年代の改革開放が急速に進む中で定着した言葉であり、安定した公務員や国営企業の職(体制内)を捨ててリスクを冒し、商業や起業の荒波(海)へ漕ぎ出すことを表す。これと対比されるのが「上岸(shàng'àn / 海から陸に上がる=安定した公務員試験や国営企業に就職して身を固める)」という現代の若者の間で人気のキャリア志向であり、時代の変化とともに言葉のベクトルが逆転している点が非常に興味深い。
更新日:
2026/09/09 09:52
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